特別演習(北大非常勤)の発表会 @美瑛町
4月の宿泊研修にはじまり、座学の授業に加えて、2泊3日の現地フィールドワークを2回、提案作成のための複数回の個別指導を経て、12月10日に美瑛町役場での発表会。10月から福岡に移ってしまったこともあって充分ではないところもありましたが、なんとか完了することができました。
このボリュームで、しかも通年なので、最後まで学生さんがついてきてくれるのかヒヤヒヤでしたが、頑張ってくれました。2回フィールドワークを行ったとしても、そこで知ることができるのは、やはり地域の一部でしかないし、限られた時間での提案作成。でも、一人一人が美瑛のことに親身になって、自分なりに現実にぶつかっていったのではないかと思います。
発表会には、町長、副町長をはじめとし、関係部局の方々がたくさん参加していただき、厳しくも温かくコメントしてくださいました。現状と違っていると考えれば「それは違う」、そう意見を言ってくださるということは、本当に真剣に一つの提案として聞いてくださった証。そこからがはじまりなんだよな…と自分の経験も振り返りつつ、改めて考えさせられました。そして、ぜひプロジェクトに関わって欲しい、別途話を聞かせて欲しい…というようなオファーを受ける学生さんも。
でも、私の中で特別演習に携わっていて何よりも嬉しかったのは、フィールドワークが面白かった!と言ってくれたこと、フィールドワーク以外に個別に美瑛に調査にいった学生さんが、本当に美瑛を好きになってくれたこと。美瑛がそれぞれの特別な場所になったらいいな、と思います。
個別指導やフィールドワークを一緒に行ってくださった先生方、発表会に弾丸ツアーで来ていただき講評をしてくださった先生方、お疲れ様でした。
そして何より、美瑛町の方々の懐の深さに感謝です。
竹富島にうかがってきました_2015年11月
沖縄県竹富島にうかがってきました。私がフィールドとしている岐阜県白川村と同様、国の伝統的建造物群保存地区として選定された集落景観を求めて、多くの観光客が訪れる島です。そういえば今回、なごみの塔(集落景観が見渡せる)にのぼってないな…
今回、4回目にしてはじめて水牛車に乗りました。
水牛の速度で巡る集落。そしてみんなで唄う安里屋ユンタ。この有名な安里屋ユンタに登場する、役人に見初められたクヤマの生家は竹富島にあるのです。
びっくりしたのは、水牛がもよおすタイミングを見逃さず、サッと、案内の方がバケツを水牛のお尻に差し出すこと。そんな驚きも含めた初体験でした。
こちらは、バギナ屋と呼ばれる茅葺の民家。竹富島はもともと茅葺だったのです。
そして、おばあによる「素足のツアー」にもはじめて体験しました。素敵な方。芭蕉布の説明をしてくださってます。
それ以外にも、これはかつての見張りの場所。この延長線上に桟橋があったそうです。
これはお墓。女性の下腹部を表した亀甲墓(きっこうばか)という形式のもの。文化人類学と宗教学が専門の前職の同僚たちが、ビビッときたのか、あっという間にフィールドワークモードに切り替わる(笑)ところを垣間見る。
今回の出張の目的は、竹富島における景観マネジメントの現状を把握することでしたが、各種会合にオブザーバーとして参加させていただくだけでなく、実際に集落を巡りながら伝建群の修理や修景の考え方を確認する場もありました。
みなさん、とても熱心。竹富島への愛で溢れている。
そして、みんなが持参する竹富島のガイドライン。
このように、役に立つ研究、そして計画策定を行うことが、どれだけ難しいことか… 私の竹富島研究は始まったばかりです。