美瑛町をフィールドにフェノロジーカレンダーを作っています
美瑛町というと、皆さん何を思い浮かべるでしょうか? 波のようにうねる丘の連なりでしょうか? それとも農地の中に立つ樹木でしょうか? はたまた最近美瑛を知った方は、「青い池」と答えるかもしれませんね。
ちなみにこの写真は、美味しいソフトクリームが味わえる美瑛ファームの風景です。
現在美瑛町では、今後の観光のあり方について構想する計画を策定するために、観光にかかわる様々な調査を行っています。その一つがフェノロジーカレンダーの作成です。
フェノロジーカレンダーとは、北海道大学観光学高等研究センターの真板昭夫先生の指導のもと、全国様々な場所で作成されている季節暦のことです。カレンダーというと1ヶ月毎にめくるものを想像される方も多いかもしれませんが、このカレンダーは1月から12月までを一つの表で表し、その中に、植物や動物、風景、祭礼行事やイベントなどがどの時期に見られるものなのか、野菜などの生産物の場合はどの時期が旬なのかがわかるように示したものなのです。
真板先生の授業は非常に実践的で、履修している学生さんとともに、このカレンダー作成に取り組んでいます。
作成の過程では、もちろん掲載する資源について知らなければならないので、美瑛町のことが記述されている様々な文献を読んだり、行政の職員の方々、美瑛町で農業を営んでいる人、美瑛で採れた食材で美味しい料理をつくる奥様方などから直接お話をうかがったりします。そんなこんなで2年がかりで調査をしてきましたが、ようやく編集作業に。
カレンダー内でどんなイラストや写真を掲載するか、パンフレット全体の構成などを考えています。
実際に、この授業の中では履修生一人一人が、聞き取りをエピソードとしてまとめる作業も行なっています。最初は文章もたどたどしかったのが、聞き取りを進めることで自分の中での美瑛像が具体的になるからか、魅力的な表現がたくさん出てくるように。これには私もたまげました。
編集作業でもたくさんのアイデアが出てきます。フェノロジーカレンダーのいいところは、みんなが参加できるということ。基本的に、自然の移り変わりと人々の暮らしとの関係性を表現するものなので、誰しもが関心を持つことができるのです。きっと、これから関係部局の方々に意見をもらっていく中で、より面白いカレンダーになっていくことでしょう。
最初に、いくつかの知名度の高い美瑛町のイメージを挙げましたが、これは極々一部であり、美瑛町には語るべきものがたくさんあることがカレンダーを通じて共有されるといいなと思います。